メキシコ留学記

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外国人に日本語を教えるよりも日本人にスペイン語を教えた方が百倍楽

私は自身のスペイン語の勉強も兼ねて、大家さんの娘さんに日本語を教えています。大家さんの娘さんが持っている、日本語のテキストを一緒に解きながら勉強しています。勿論、私はスペイン語がそこそこ話せるので、問題の意味がわからない場合の解説や例文の翻訳、そして作文問題など大家さんの娘さんが自分で採点できない問題の採点等はしてあげることができます。

しかしながら、私は日本語の母語話者であり、日本語を外国語としてしっかり勉強したわけでもなければ、日本語教員養成課程を受けて、日本語教育を学んでいるわけでもないので、なぜそれが間違いなのかやどの場面でどのように言葉の言い換えをするのか、どうやって語尾を変えるのか等自分が自然に行っているものを説明することは、できません。動詞の活用や語尾変化などは、何も考えずにやっているので、どうやってそれを行えばいいのかは自分でもわからないですし、どういう仕組みで成り立っているのかもわからないからです。そのため、勿論日本語を教える際の料金はもらっていません。自分では十分に教えることができていないのがわかっているからです。

このような問題に直面すると、外国人に日本語を教えるより、日本人にスペイン語を教えた方がはるかに楽なんだなと分かります。なぜなら、スペイン語は自分が外国語として勉強して覚えたもののため、動詞を活用する時も、文章を書く時も、会話する時も常に頭で考えて行い、感覚でやっていることはほぼ一つもないからです。この場合、なぜこの文章がおかしいのか?等を文法事項に沿って順序立てて、しっかりと説明することができます。さらに、自分が勉強したノウハウを相手に教えてあげることだってできます。

私が書いたことを裏付けるように、昔言語学の先生がこんなことを言っていました。『母語は人間がもともと持っている言語機能が働き、勝手に覚えた物、つまり歩く、見る等と同じような行為であり、第二言語は勉強して覚えるものなので、数学やその他勉強と同じように、処理能力や記憶力、知識などが関係してくる。よって、同じ言語でも習得するプロセスが全く違なる。』つまり、母語第二言語は全くの別物であり、私は日本語の母語話者だからこそ、うまく教えられないということなんです。

また、この話から日本語を話せるアメリカ人に『日本語と英語どっちが難しい?』なんて聞く質問は大分ナンセンスなことが分かります。こんな質問をする人はたくさんいますが、された方は困りますね。母語第二言語を比べることはできませんから。僕もメキシコにきて、この手の質問をされて結構困りました(笑)